管理型最終処分場

産業廃棄物は、有害物質を含むものとそうでないものに分けられます。
ほとんどの廃棄物は安定型最終処分場で処理されますが、有害物質を含んでいると処分できないため、遮断型最終処分場に持ち込まれるのが一般的です。

しかし、遮断型最終処分場でも処理できない産業廃棄物もあります。
このような場合は、管理型最終処分場で処分されるようになっています。

管理型最終処分場は、様々な有害物質を含んだ廃棄物を処理するための施設です。
ここで処理される廃棄物には、紙くずや繊維、汚泥など非常に多くの種類があります。

廃棄物の中には、埋め立てた際に有害物質を発生させるものもあります。
例えば水銀や重金属、酸性の強い水などで、これらは環境に大きな影響を与えるだけでなく、人体にも有害な物質です。
万が一漏れ出してしまうと、環境汚染だけでなく健康被害につながるリスクを含んでいます。
そのため定期的なモニタリングが必要で、管理が必要不可欠なのです。

その役目を担うのが管理型最終処分場で、有害物質を含む産業廃棄物の管理をしています。
複数の構造によって内部と外部が遮断されており、土壌への浸透・地下水の汚染を防ぐようになっています。

また、管理型最終処分場には、遮水するための設備や汚水を処理する設備が備わっており、モニタリングによる監視と水質検査が行われています。
どの程度有害な物質が発生しているか、そして外部への流出がないか監視することで、廃棄物を安全に処理するための施設です。
一般的には埋立処分となりますが、雨水が流れ込んでも問題ないような構造になっています。

現在ある最終処分場としては最も安定性の高い施設です。
しかし、常時モニタリングと定期的な水質検査が必要で、維持コストが高いという欠点を抱えています。
有害物質を含んでいるため建設場所も限定されており、全国的な数はさほど多くありません。
ただし、今後これらの問題が解決された場合、普及が進んでいくと考えられています。